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カテゴリー:脳神経内科 | 公開:2026-10-21 | 監修:池川 眞之

ドネペジルを
始めたご家族へ

量の増やし方と脈・胃腸の症状

ドネペジル(商品名アリセプトなど)は、アルツハイマー型認知症とレビー小体型認知症で、認知症の症状の進行を抑えるために使う飲み薬です。飲み始めたときに知っておきたい注意を、アリセプト錠の添付文書の記載にもとづいてまとめました。ご家族に読んでいただきたい内容です。

少ない量から始める理由

通常は、1日1回3mgから始め、1~2週間後に5mgに増やします。症状によっては、5mgで4週間以上たってから10mgに増やすことがあります。

最初の3mgは、効き目を出すための量ではなく、吐き気などの胃腸の副作用を出にくくするための量です。そのため、3mgのまま1~2週間を超えて続けないことが原則とされています。量は医師が決めますので、処方されたとおりに飲んでください。

添付文書では、このお薬は医療従事者やご家族などの管理のもとで飲むこととされています。錠剤は包装のシートから取り出して飲んでください。シートごと飲み込むと、食道を傷つけるおそれがあります。

吐き気・下痢・食欲が落ちる

比較的よくみられる副作用として、食欲がなくなる、吐き気、嘔吐、下痢が記載されています。10mgに増やすときも、こうした胃腸の副作用に注意しながら使うこととされています。食事の量が減ったときや、吐き気が続くときは、医師にご相談ください。

このほか、眠れない、眠気、落ち着かない、怒りっぽくなる、めまい、頭痛といった副作用も記載されています。

脈が遅くなる・めまい・失神

このお薬は、脈が遅くなったり(徐脈)、脈が乱れたりすることがあり、気を失うこと(失神)も重い副作用として書かれています。心臓の病気(心筋梗塞、弁膜症、心筋症など)がある方、脈の病気(洞不全症候群など)がある方、血液中のカリウムが低いなどの方は、特に注意して使うこととされています。

心臓の病気のほか、胃潰瘍や十二指腸潰瘍にかかったことがある方、気管支ぜんそくや肺の病気にかかったことがある方、パーキンソン病などで体の動きにくさがある方も、症状が悪くなるおそれがあるため、診察のときにお伝えください。

すぐに連絡してほしい症状

  • 気を失った、意識が遠くなった、脈がとても遅い(脈の異常や失神のおそれ)。
  • けいれんが起きた。
  • 動きが少なくなる、ふるえる、体が勝手に動く、歩き方や姿勢が変わった(錐体外路障害という副作用のおそれ)。
  • 高い熱とともに、強い筋肉のこわばり、飲み込みにくさ、汗が多いといった症状が出た(悪性症候群のおそれ)。
  • 筋肉の痛みや、力が入らない感じがある(横紋筋融解症のおそれ)。

このほか、胃や十二指腸の潰瘍、消化管からの出血、肝臓の障害、急性膵炎も、重い副作用として書かれています。どれもまれな副作用ですが、気づいたときはすぐに医師にご連絡ください。薬を続けるかどうかは医師が判断します。

ご家族が見ておきたいこと

添付文書では、このお薬で病気そのものの進行を抑えるという成績は得られていないと書かれています。飲み始めてから12週間後までを目安に、認知機能の検査や、ご本人とご家族・介護者からのお話をもとに、続けるかどうかを判断することとされています。その後も定期的に、続けるかどうかを確かめます。普段の様子の変化を、診察のときにお伝えください。

また、認知症の方は自動車の運転などの操作をする力が落ちることがあり、このお薬で意識がぼんやりする、めまい、眠気が出ることもあるため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないよう説明することとされています。

同じ働きのほかの認知症のお薬(ガランタミンなど)とは一緒に使いません。一部の抗菌薬や抗真菌薬、てんかんのお薬、痛み止めなどは、一緒に使うと効き目や副作用に影響することがあります。ほかに飲んでいるお薬は、診察のときにすべてお伝えください。

お薬をやめたり、量や飲む時間を変えたりするときは、自己判断ではなく、処方を受けている医師や薬剤師にご相談ください。

Q. 飲み始めて1~2週間で量が増えたのはなぜですか?
A. 最初の3mgは、胃腸の副作用を出にくくするための量で、効き目を出すための量ではありません。そのため、通常は1~2週間後に5mgに増やします。量は医師が症状を見て決めます。

Q. 飲んでいる間、車を運転してもよいですか?
A. 添付文書では、認知症では運転などの操作をする力が落ちることがあり、このお薬で意識がぼんやりする、めまい、眠気が出ることもあるため、自動車の運転など危険を伴う機械の操作はしないよう説明することとされています。

Q. めまいがして、ふらっと倒れそうになりました。
A. このお薬では、脈が遅くなる、脈が乱れる、気を失うといった副作用が記載されています。気を失ったときや、脈がとても遅いときは、すぐに医師にご連絡ください。

出典:アリセプト錠3mg/5mg/10mg・細粒0.5% 添付文書(2026年5月改訂、PMDA 医療用医薬品情報)。

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